エイサーとは
エイサーは日本の南、沖縄の伝統太鼓踊りで、先祖を敬い供養するためのものでした。昨今では伝統を大切にしていく一方で、自由に創作し、新しい曲を積極的に取り入れるなど、エイサー文化に新しい局面をも切り開いています。
からころでは、第二次世界大戦末期の1945年に、日本で唯一地上戦があり、住民の四分の一が亡くなった沖縄の伝統芸能を守ることで、平和を維持するためにエイサーを伝承していくことを大切に考えています。
古典エイサーと共に、差別や戦争をテーマにした「竹田の子守唄」や「さとうきび畑」を演目に入れ、エイサーを通じて平和を伝えることを目的としています。
そして日本の心の原型といえる ―小さきものを見下げず、子どものように身を低くする 自然の眼でものを見つめ、自然の耳で名もなき草花の声を聞く― 宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」「風野又三郎」「雪渡り」の作品をエイサーにしています。
沖縄からカナダへ
からころがエイサーを始めて18年目になりました。沖縄の一万人のエイサーというイベントに参加、国立ハンセン病療養所「愛楽園」にて演舞交流会、2010年の沖縄で開催された「全国エイサー大会」では準グランプリ賞を頂きました。そして毎年カナダでエイサー公演を行い、今年で10年目になります。
カナダで毎年夏の一年に一度の行事になりました。今までカナダのライアソン大学、ナイアガラ・オン・ザ・レイクのミュージック・フェスティバル、トロントの日系文化会館、ウィニペグのアートギャラリー、バンクーバーのパウエル祭と、カナダのいろいろな場所でエイサーを披露してきました。
昨年に引き続き今年もウィニペグのFolkloramaフェスティバルで8月16日(金)18時45分、20時15分、21時45分の3回エイサーを披露します。
50年余り続き41ヶ国の世界の国が集まるFolkloramaフェスティバルの日本のパビリオンはマニトバ日本文化協会(JCAM)主催です。JCAMとはマニトバ州の日系カナダ人を代表する、非営利で慈善目的の組織です。ボランティアによる委員会と協会会員により、コミュニティのための文化的・教育的活動を行なっています。JCAMの企画するプロジェクトは、日系カナダ人社会のさまざまな活動をカバーするだけでなく、コミュニティの外にいるカナダ人に対しても広く働きかけています。
そしてカナダ国立人権博物館からも招待を受け8月18日(日)13時よりエイサーを披露します。
カナダ国立人権博物館は2014年ウィニペグにオープンしました。もともとウィニペグには先住民の豊かな歴史や、女性運動、労働運動も盛んだったという背景があります。
展示内容は豊富で、カナダにおける先住民の辿ってきた歴史、日系カナダ人について、先住民女性の殺害・失踪問題について、南アフリカのアパルトヘイトについて、そして日本の従軍慰安婦問題についてなど、多岐にわたっています。
からころエイサーの最後にアンコールで、アフリカ解放の歌として広まり、南アフリカで国歌として使われている「コシシケレリアフリカ」で人権博物館を鳴り響かせたい!!と思っています。
松井洋子
Photo by Nobuyo Nishimura
Kazuma Torii