HOME | Karakoro Stage | KARAKORO STAGE 2022.9月 Message

 今年の5月公演の観客の方たちから『ロシアのウクライナ侵攻を思い起こさせられた』との声が寄せられました。
 ジョイ・コガワさんの絵本を元にしてナオミだけが人間で、他は動物や虫という世界をミュージカルにしました。そのミュージカルを9月にバージョンアップして上演します。
 再演するにあたり、動物や虫の生態を皆で勉強しました。人間がサルの祖先と別れたのが600~700万年前に対し、トンボが3億2500万年前から地球上に存在し、ハチが蜜のありかやその距離をダンスで仲間に伝えています。
 動物や虫たちが小さな脳で考えて、多様性を持ち見事なほどの賢さを発揮し美しく繁栄させているのです。

STORY
 朝日の昇る桜の咲き誇る国は、いくつもの戦いを繰り返し日本と名付けられました。
 その後、アジアに位置していた日本は、文明国の仲間入りをしようと清と戦争を引き起こし、ロシアとも戦争を始め、貧しくなり、多くの日本人が仕事を求め、外国へ移り住みました。
桜の種を携えた一人の花嫁がカナダに行き、その種から桜の木が育ち、美しく可愛らしい家で男の子と女の子を出産しました。男の子はスティーブ、女の子はナオミと名付けられました。
お母さんが、病気のおばあさんを日本に見舞っている時、日本とカナダの戦争が始まりました。
カナダではナオミ達は敵国とみなされ、家も学校も何もかも奪われた上、強制収容所に送られました。
お母さんは日本で原爆にうたれて、ナオミに連絡がないまま亡くなりました。
ナオミはカナダのあちこちを転々としました。
 戦いに傷ついた桜の木はナオミを待ちながら祈りました。


May the world be safe.          世界が平和でありますように。
May the world be kind.          世界が優しくありますように。
May the world forever — Be our home.  私達のふるさと ― 世界が永久でありますように。


 年老いたナオミとスティーブは、虫達に導かれるようにして、生まれ育った街に戻ってきます・・・。

松井 洋子


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