松井 学
第一幕
「あれはなんじゃろな」
誰もが経験したことがなかった原爆投下をボーカル・ピアノ・チェロのアンサンブルがスローテンポな音楽で表現します。
「もう考えたくないんだ」
平和への思いは同じでも口論になってしまうカナダの少年と少女たちが「大人たちは本当に核兵器や戦争が必要と思っているのだろうか。」の叫びをスイングなリズムで歌います。
「バトンつなごう」
太鼓やラッパの音と共に楽しい音楽が鳴り響きます。これぞ昭和の運動会といった曲です。
「おかあちゃんのこえ」
こだまのように聞こえてくるおかあちゃんの「サダコが白血病?」という声。「なんかの間違い。」だと思いたいサダコと母の気持ちをフルートとビオラのアンサンブルで奏でます。
「折り鶴千羽折ったなら」
病気が治るのを信じて一羽一羽と折っていく仲良しのサダコとヨシコをカスタネットとトライアングルが先導するワルツのリズムで表現します。
第二幕
「子どもの言うことなんて」
平和大行進に参加するのかしないのか。カナダの少年や少女たちの揺れ動く気持ちを弦楽器と管楽器がお互いに共鳴しあいます。
「鶴のうた」
お母ちゃんの歌を懐かしむサダコに母親が祈りをこめた歌です。クラリネットアンサンブルの響きは母親の祈りを、弦楽器のアンサンブルは鶴の家族のように二人の苦しみを解き放ち、大きな空へ導きます。
「星となって」
「死んだ人はみんな星になるんじゃねえ」と兄に語りかけ、屋上に上がって歌います。木管楽器と弦楽器の温かいサウンドが深い絆で結ばれた兄妹を優しく包み込みます。
「平和の歌」
いろいろな葛藤を乗り越えカナダの少年たちは平和大行進へ行きます。No more nukes. No more war.
広島や長崎そして世界に向けた壮大なマーチの始まりです。
「手渡すのは私」
一人一人が折った小さな折り鶴はそれぞれの思い。エンディングは未来へ向かってまさにコーラスとオーケストラが一体となり、日本中に、世界中に祈りと願いを響かせます。