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“第九とともに”
抱きしめて――EMBRACE


松井洋子

二ヶ月前に生まれたばかりの音色(ねいろ)を抱きながら、話しかけたり、ゆすったり‥‥。
そして床に寝かせて両足を持ってゆらゆらゆすり、両わき腹をゴロンゴロンと左右にゆすります。
5歳になる結(ゆい)が、その様子を真剣なまなざしで見ています。
「僕もこんなのしてもらった‥‥?」ときくともなく話しかけます。
「うん。たくさんしたよ」と答えると、結は他の子に「ぼくもこんなんしてもらったんだよ」と自慢げに言います。
3歳になる七重(ななえ)がうらやましげに眺めています。
私は七重をしっかりと抱きしめて「大好きよ!」と言いました。
音色のお姉さんになった七重は恥ずかしそうに「うん」と答えました。
稽古の合間のひとこまです。

今回のステージは、ベートーベンの交響曲第九番をメンバーが演奏し、交代で踊ります。
マース・カニングハム・ダンススクールのジェフ・モーエンさん振付のダンス
『抱きしめて――EMBRACE(エンブレィス)』です。
エンブレィスは、皆さんも良くご存知のハグよりも、もっと広く、深い意味をもちます。
単に身体を抱きしめるだけでなく、精神、魂、そして自然、いや地球、さらに宇宙‥‥
あらゆるものを暖かく、ときにはきびしく抱きしめたり、抱きしめられたりします。
舞台は、ない山、ながれていない川、そしてうその草や風さえも
あたかもそこにあるかのように表現する詩的なアートの場です。

ジェフ・モーエンさんの振付により、これまでにない抽象度の高い作品になると思います。
ベートーベンの第九とダンスの エンブレィスを、ジェフさんとともに結も七重も踊ります。
私はメンバー一人ひとりをエンブレィスしながら、稽古を続けています。
音色はときどき私の腕の中から目を大きく見開いてみんなの稽古を見ています。
眠くてぐずっていても、皆の演奏する第九を聴くとごきげんです。

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